


⬛︎ MAGNETIC FIELD PROTECTION
マグネチック・フィールド・プロテクション
電気モーター、ラウドスピーカー、パソコンなどが持つ磁界によって、ニヴァロックス社製のヒゲゼンマイが磁気を帯び時計の精度に悪影響を与える原因になります。そこでジンが開発した驚異の80,000A/m(1,000ガウスまたは100ミリテラス)の防磁性能を持つマグネチック・フィールド・プロテクションです。軟磁性材料を使用したインナーケースにムーブメントホルダー、裏蓋を組み込み、さらに文字盤にもこの素材を使用し磁化を防いでおります。ジンのマグネチック・フィールド・プロテクションは、防磁時計のためのDIN規格(ドイツ工業規格)で定められた数値4,800A/mをはるかに上回るもので、磁気干渉を最小に抑えます。防磁時計のためのDIN規格では4,800A/mまでの保護しか要求されていないのです。土星のようなロゴマークはその証。現代はAV機器やコンピューター、携帯電話など磁気を発生する電子機器がいたるところに氾濫し、時計の精度に悪影響を与えていますが、これに対応できうる素材といえます。
●写真左:ジンのマグネチック・フィールド・プロテクションの裏蓋は防磁性能を発揮し、裏蓋を直接クリップに接触させても石に吸い寄せられることはございません。
●写真右:ステンレスの裏蓋は簡単に磁力線が通ってしまい、裏蓋をはさんで磁石にクリップが吸い寄せられてしまいます。

⬛︎Ar-Dehumidifying Technology
Ar ドライテクノロジー
時計内部の空気に含まれている湿気や時計内部に拡散した水蒸気によるムーブメントの潤滑オイルの劣化は、機械式時計の精度に悪影響を及ぼします。ジンのArドライテクノロジーは、ドライカプセルの搭載、EDRパッキンの使用、プロテクトガスの充填という3つの技術的要素により、ムーブメントはほぼ無水の環境となりこの問題を解決。オイルの劣化プロセスと突然の気温低下によるサファイアクリスタル風防の曇りが防止され、信頼性の高い機能と精度が保証されます。

⬛︎ ディアパル(DIAPAL)
潤滑剤不要のレバーエスケープメント
Arドライテクノロジーの目的はオイル劣化の防止ですが、ディアパル・テクノロジーのコンセプトは、そのからさらに一歩先に行きます。特殊な材質の組み合わせにより、なんと潤滑剤をしなくても、部品同士が摩擦を起こさずに作動します。これにより、長期間にわたりムーブメントの、とりわけスイス・レバーエスケイプメントの精度を保つことができます。
時計のムーブメント全体の精度に大きな影響を与える脱進機の重要な構成部品であるツメ石とガンギ車に、潤滑油なしでも摩擦を起こさず作動する独自の組み合わせの素材を採用することで、長期間にわたり精度を保つ技術です。これは真空状態ではオイルが使えないために開発されたNASAの技術の応用です。

⬛︎ TEGIMENT
デギメント
デギメントとは、窒素を使用した浸炭加工を時計のケースに施すことにより鋼材の表面に炭素分子を拡散・浸透させ、焼入れして硬化させる技術です。素材の表面をセラミックと同じ1200ビッカース、あるいはそれ以上の硬度にして時計に傷が付くことを防ぎます。この加工はマットやポリッシュ等ケースの仕上げの種類を問わず可能で、さらに金属内のニッケルが表面に出てこないといった特徴もあるため、アレルギー体質の方でも安心したご使用いただくことができます。また、この技術はPVDコーティングの基盤ともなっており、デギメントとPVDを併せて使用することで、ケース本体からコーティングが剥がれるといったエッグシェル現象を起こす心配がありません。

⬛︎ HYDRO
ハイドロ
時計ケース内にシリコンオイルを封入することにより、時計ケース内部の収縮率を海水や淡水とほぼ同じにする得意希なジン独自の技術です。これは外圧に対してまったく同じだけの内圧で押し返すというパスカルの原理の応用です。これによりごつごつした分厚いケース無しに、5,000mという極めて高い防水性を実現しております。また、ハイドロには文字盤の視野角度が飛躍的に向上するというもうひとつの特徴があります。ガラスとほぼ同等の屈折率を持つシリコンオイルの効果により、光の反射で視認性が落ちるのを避け、水中でもくっきりとした視認性を得ることができます。ダイバーズウォッチとして、まさに革新的な技術です。裏蓋はセンター部分が外圧、内圧の変化で稼働する特殊構造になっており、これにより温度によるシリコンの膨張や収縮圧力が、外気圧とのバランスを保つようになっております。

⬛︎ Tempereyurresistenztechnologie
温度安定テクノロジー
ムーブメントの長期的な動作精度は、可動部品の潤滑に大きく左右されます。これは特に、極端な温度下で使用する場合に言えることです。過酷な使用環境でも時間表示の機能信頼性を確保するため、ジンでは SINN特殊オイルを使用しています。優れた特性を誇るこのオイルにより、−45℃〜+80℃の温度環境でも、劣化の少ない潤滑が可能になります。

SINN 特殊オイル
機械式時計のムーブメントのパーツが円滑な運動を行えるよう使用されている潤滑オイルは、通常−25℃で粘性が高くなり精度が維持出来なくなりますが、ジン社開発の特殊オイルは−66℃まで粘性を維持し+228℃まで蒸発が起きません。このオイルの使用により急激な温度変化に耐え、−45℃から+80℃の温度範囲でDIN(ドイツ工業規格)の定めた刻時精度の維持を可能にしました。このオイルが使用されているモデルは、ドイツ出荷の際に全品−45℃と+80℃での検品がおこなわれております。

⬛︎ Univerliebarer Sicherheitsdrehring
安全ベゼル
回転ベゼルの構造は、安全という観点から、非常に重要なテーマです。ダイバーの肉体や生命を危険にさらすことが絶対ないよう、T1,T2,U1000の各シリーズでは、2つの要素を基盤としたソリューションを実現しております。
まず一つは、回転ベゼルが外れないようにするということ。ジンで採用している方法は、従来のはめ込み式構造とは大きく異なります。特殊な構造により、衝撃を受けたり、何か引っかかったりしても回転ベゼルが外れる心配はなく、よって設定時間が失われるおそれもありません。T1,T2,U1000の各シリーズでは、さらにもう一つの対策が取られております。外れる心配がないのに加え、誤回転防止策も施されています。しかも、DIN8306規格のさらに上をいくレベルです。本規格では、ダイバーズウォッチの回転ベゼルが、時間を設定する際に反時計回りにしか回せない構造でなければならないと定められています。T1,T2,U1000の安全ベゼルは精巧なメカニズムにより、誤って回転できないようになっております。つまり、何かにぶつかったりした瞬間に位置がずれ、設定時間が狂ってしまう心配がありません。


1961
創立
1992
142Sが宇宙に
1994
新しい時の始まり
最初に開発されたのは、マグネチック・フィールド・プロテクションを搭載し、ムーブメントが自由に振動しりように吊り下げられた純チタン製モデル244です。SINN社が実現したこの防磁性能は、耐磁時計に関するドイツ工業規格(DIN)の基準を大きく上回り、磁気から受ける障害を最小限に抑えます。
1996
ハイドロ(HYDRO)テクノロジーの開発
1998
-45℃〜+80℃
2001
ディアパル(DIAOAL)テクノロジーの開発
2003
デギメント(TEGIMENT)テクノロジーの開発
2005
ドイツ潜水艦用のスチールから時計ケースを製作
ゲルマニアロイド船級協会がSINNのダイバーズウォッチを認証
ハンブルグのゲルマニアロイド船級協会により、SINNのダイバーズウォッチの耐圧性と、欧州潜水器具規格EN250およびEN14143に適合していることが試験で確認され、認証されました。これは時計業界では初めてのことです。
2012
TESTAFの発表
世界初 ー TESTAF認証を受けた時計第1号