オリスはスイス北西部バーゼル郊外にある美しい町、ヘルシュタインを拠点としています。1904年、ル・ロックル出身の時計師ポール・カッティンとジョルジュ・クリスチャンは、工場設立にこの地を選びました。「オリス」の社名はヘルシュタイン近郊を流れる小川の名前に由来しています。これは水流を意味するケトル語の‘Aurisa’とローマ語の‘Orusz’を語源としています。
危機から復興へ
当時はまだクォーツ一辺倒の時代でありましたが、どうしても機械式時計を作りたいとの思いで独立し今に至っております。まだ機械式時計が復興する前の事。まわりからは「頭がおかしいんじゃないか?」とまで言われた時代にです。機械式時計に対する強い思いがあったんでしょうね。
当時は自社のムーブメントを作る設備がなかったので、ETAからムーブメントを買って、その上にポインターデイトのようなオリス独自のモジュールを付けて作っておりました。
当時はETAもクウォーツショックで危なかったみたいですが、オリスが大量ではないにせよずっと安定してETAからムーブメントを購入しておりました。そのおかげでETAもなんとか持ちこたえました。
後の機械式時計の復活時にムーブメントメーカーであるETAが残っていたので、多くの時計ブランドが復興することが出来ました。
オリスがいたからETAのムーブメントを使用して他の多くのブランドが復活することが出来ました。
自社キャリバーの開発も精力的に行っておりました。
オリスが機械式時計のみの製造する事に対しての批判に対し1991年キャリバー581は大成功を収めました。当時、キャリバー581は自社の時計師チームによって開発されたムーンフェーズモジュールを搭載した難しいキャリバー。
オリスのフィロソフィー
1904年以来、私たちはインダストリアルな時計作りの魂を守り続けており、「実用的に意味あるものを作る」という信条の元に機械時計を作っています。自分たちの仕事に信念を持ち、時流に流されることなく、自分の流儀を貫く姿勢(Go your own way)を保っています。
ETA問題とオリス
その後ETAはスウォッチグループに入り「グループ以外にはムーブメント供給はしません 」。いわゆる「ETA問題」も時計業界の大きな岐路のでしたが、当時ETAの下請けをしていたセリタというムーブメントメーカーが、下請けではなくこれまで蓄積されたノウハウで自社でやっていけるかもしれない。ということでオリスに相談にこられた時に、資金援助は出来ないけれどもずっと買い支えます。一定量は購入するので感張って下さい。と支援の約束がなされたそうです。その後、セリタは設備投資や人員を増やして独立したムーブメントメーカーへと成長いたしました。今や推しも押されぬスイスの時計ムーブメントメーカーの地位を獲得しております。スウォッチグループ以外の多くの時計ブランドがセリタのムーブメントを使用しております。
間接的ではありますが、オリスが時計業界の危機を支えた形となりました。あまりオープンになってはおりませんが、時計史に残した功績は大きいですね。いつの時代もコツコツと真面目な時計作りがオリスのフィロソフィーです。
スイス時計法の撤回
「スイス時計産業の保護」をうたった法律でしたが、実態は時計会社が許可なく新たな技術を発表することを禁止する内容で、時計の発展を妨げる法律だと悪名を馳せました。
当時オリスのジェネラルマネージャーだったオスカー・ヘルツォークは若手弁護士のロルフ・ポルトマンと共に地元国会議員に手紙を書き、新聞に意見を投稿するなど10年かけてこの問題に対する人々の意識を高めました。そして1966年、時計法を廃止に追い込見ました。これはオリスだけでなく時計界全体に新しい息吹をもたらしました。
BIG CROWN
1938年発表のロングセラー ビッククラウン
大きなリューズが特徴のパイロット時計シリーズ。
専用針で表示するカレンダーやレトロなデザインが魅力な定番の人気シリーズです。
スポーティさとトラディショナルな感じが一つのデザインの中にスタイリッシュに融合し、実際に腕に付けてみるとその素晴らしさを感じることのできる素敵な時計です。大きなねじ込み式のリューズ、クラシックな雰囲気のコインエッジベゼル、そして珍しい表示のポインターデイト。時代を超越した何とも言い難い魅力を感じます。
こちらのポインターデイトは、ベースムーブのセリタ SW200-1にオリス製のモジュールを組み合わせ(別名オリス Cal.754)、時間だけでなく、4本目の針と文字盤の外周を囲むデイト目盛りによって日付を判別するポインターデイト機能を搭載しています。
アラビア数字のフォントや、スーパールミノバでプリントされた目盛りなど、魅力がいっぱい詰まった素敵な時計です。価格もとても魅力的ですので、日常使いの機械式スイスウォッチの入門機としてぜひおすすめいたします。
AQUIS
高性能ダイバーズウォッチ アクイス
本格的な潜水機能とモダンなデザインを組み合わせて定番シリーズ。
先進素材を使用し耐久性や装着性を追求している人気シリーズです。
サファイアクリスタル、シースルーケースバック、300m防水、セラミックベゼルなどを備えているにも関わらず40万円前後で購入出来る良心的な価格設定。
2020年に満を持して発売されたオリスの自社製ムーブメント「cal.400」を搭載したアクイスコレクションがなんといってもオススメです。シリコンパーツを使用し、非スティールパーツも30以上使用し、その上耐磁加工を施すことで、ISO764(耐磁時計に関する国際規格)の基準を大幅に上回る性能を実現しています。現在時計の不具合原因トップの磁気対策がしっかりとなされております。
ツインバレルと伝達効率の効率化により5日間のロングパワーリザーブを実現しており、まさに実用的な時計に仕上がっております。
うれしいことに、このキャリバー400搭載のアクイスには10年間の保証が付いています。そしてオーバーホール推奨期間も10年間というメーカーからの約束がされている事が何よりありがたい事です。
DIVERS 65
レトロな復刻コレクション ダイバーズ65
オリス初の潜水時計の1965年製モデルをモチーフとした人気シリーズです。
ヴィンテージの美しさと最新の製造技術を駆使したコレクションです。
ダイバーズウォッチにとって大事な視認性。そして何よりも普段使いにおいてのスタイリッシュな見栄えも重要な要素です。ほとんどの方が、時計と過ごす時間は水中ではないと思いますので。
こちらの時計の使用されているムーブメントは改良したセリタ製 SW200で、3時位置にデイト表示があり、パワーリザーブは38時間です。特に真新しいことではありませんが、20万円代前半で購入できる時計として驚異的であることに変わりはありません。
なお、ドーム型風防は発売当時はプラスチック風防でしたが、現在はサファイアクリスタル(反射防止加工済み)にスペックアップされており、当時のドームのちょっと歪んで見える光の屈折具合なども再現されていて、クラッシックな雰囲気をいっそう引き立てております。
1965年、オリスは当時最先端であったタイマースケール付き逆回転ベゼル、ボールド体で発光性のあるインデックス、100m防水を備えたダイバーズウォッチを発表しました。この時計は50年後に復刻版として発表され、オリスの代表作になりました。