秋田の時計を、秋田の手仕事に置く。
CRAFTED IN AKITA — Time Meets Tradition
秋田で生まれた時計を、秋田の手仕事に置く。
オリエントスターは、秋田で作られている機械式時計です。
私たちは長年、店頭でこの時計をご紹介しながら、「秋田で、こんなに美しい機械式時計が作られている」ということを、もっと多くの方に知っていただきたいと思ってきました。
時計の性能や仕上げの美しさ、機械式時計としての魅力をお伝えすることはもちろん大切です。けれども、オリエントスターを販売しているうちに、次第にこんなことを考えるようになりました。
時計だけを紹介するのではなく、その時計が生まれる“秋田”そのものを、一緒にお客様へ届けることはできないだろうか。
秋田には、長い時間をかけて受け継がれてきたものづくりがあります。木と向き合い、漆を塗り重ねながら作られる川連漆器。山桜の樹皮という自然の素材を生かし、職人の手によって一つひとつ仕上げられる樺細工。
そして現代の秋田では、高度な精密加工技術と職人の技によって、機械式時計オリエントスターが作られています。作られている場所も、歴史も、素材も、技法もそれぞれ違います。けれども、その根底には共通するものがあるように思います。それは、目の前の素材や部品と向き合い、人の手をかけ、時間をかけて一つのものを作り上げていくということ。そして、完成した瞬間が終わりではなく、使う人の暮らしの中で長い時間を重ねていくものだということです。
機械式時計は、手入れをしながら長く使い続けることができます。漆器もまた、日々使うことで生まれる艶や表情を楽しみながら、長く暮らしに寄り添う道具です。樺細工も、自然が生み出した一つとして同じ表情のない桜皮を生かしながら、使うほどに風合いを深めていきます。そう考えたとき、
秋田で作られた時計を、秋田で受け継がれてきた手仕事の上に置いてみたい。
そんな思いが生まれました。それが、このオリジナルウォッチスタンドを作るきっかけです。私たちが作りたかったのは、単なる「時計を置く台」ではありません。オリエントスターをご購入いただいたお客様が、一日の終わりに時計を腕から外し、このスタンドへ静かに置く。そのとき、時計と一緒に目に入るのが、川連漆器の深い艶であったり、樺細工の自然な桜皮の表情であったりする。
そして、ふと、「この時計も、この工芸も、秋田で作られているんだな」
と思っていただけたら。私たちにとって、それはとても嬉しいことです。秋田には、まだまだ知られていない美しいものがあります。長い年月をかけて守られてきた技術があります。そして今も、それを作り続けている人たちがいます。オリエントスターをきっかけに川連漆器を知っていただく。川連漆器をきっかけに樺細工にも興味を持っていただく。さらにその先に、「秋田には、こんなものづくりがあるんだ」と感じていただく。この小さなウォッチスタンドが、そんな新しい出会いのきっかけになればと思っています。
時計を選ぶことから始まった出会いが、秋田の工芸へ、作り手へ、そしてこの土地そのものへの興味へと、少しずつ広がっていく。
時計を通して、秋田を知っていただく。
このウォッチスタンドには、そんな私たちの思いを込めました。
時計を通して、秋田を伝える。
秋田で生まれた美しい機械式時計と、秋田で受け継がれてきた手仕事。
異なる時代、異なる場所で育まれてきたものづくりが、この小さなウォッチスタンドの上で出会いました。時計を腕から外し、そっと置く。そんな何気ない日常のひとときに、川連漆器の深い艶や、樺細工の桜皮の表情を感じていただく。そして、その向こうにある秋田の自然や、受け継がれてきた技、ものづくりに携わる人たちのことを、ほんの少し思い浮かべていただけたなら。それが、私たちの願いです。
秋田で生まれた時計を、秋田の手仕事に置く。
そこから、また新しい「秋田の時間」が始まります。
川連漆器 ― 艶の中に、時間を置く。
同じ湯沢で生まれる、伝統の漆と現代の機械式時計。
深く、静かな黒。光を受けることで、鮮やかな表情を見せる朱。
手に取る角度や、差し込む光によって、その表情を少しずつ変えていく漆の艶。今回、オリエントスターのためのウォッチスタンドを作ろうと考えたとき、私たちが思い浮かべた秋田の手仕事のひとつが「川連漆器」でした。そこには、ひとつの大きな理由があります。川連漆器の産地である川連町と、オリエントスターを製造する秋田エプソンがあるのは、同じ秋田県湯沢市です。一方は、およそ八百年という長い時間をかけて受け継がれてきた漆のものづくり。もう一方は、現代の精密加工技術と人の手によって生み出される機械式時計。同じ湯沢という土地で、それぞれ異なる時代と歴史の中で育まれてきた二つのものづくり。その二つを、ひとつの小さなウォッチスタンドの上でつなぐことができたら。そんな思いから、川連漆器のウォッチスタンドが生まれました。
八百年の時を受け継ぐ、川連漆器
秋田県湯沢市川連町。この地では、およそ八百年にわたり漆器づくりの技が受け継がれてきたといわれています。川連漆器が長い歴史の中で大切にしてきたもののひとつが、日々の暮らしの中で使う道具としての丈夫さと実用性です。木地をつくり、下地を施し、漆を塗り、乾かし、また塗る。一つの漆器が完成するまでには、いくつもの工程があります。完成した漆器の美しい艶だけを見ていると、その奥に積み重ねられた時間まで目にすることはできません。けれど、その一つひとつの工程と、そこに注がれてきた人の手こそが、あの深く美しい艶を生み出しています。何百年もの間、作る人から作る人へ。そして、作る人から使う人へ。川連漆器は、そうやって受け継がれてきた秋田の暮らしの道具でもあります。
「長く使う」という、もうひとつの共通点。
川連漆器とオリエントスター。漆器と機械式時計ですから、素材も、作り方も、その役割もまったく違います。けれど、この二つについて考えているうちに、私たちはある共通点を感じるようになりました。それは、
人の手によって丁寧に作られ、使う人とともに時間を重ねていくもの。
ということです。
漆器は、飾って眺めるだけのものではありません。手に取り、日々の暮らしの中で使いながら、その艶や風合いと付き合っていくものです。機械式時計もまた、完成したときが終わりではありません。毎日腕に着け、時を刻み、ときには手入れや修理をしながら、何年、何十年と使い続けることができます。使うほどに、その人だけの時間が刻まれていく。八百年受け継がれてきた漆器と、現代の秋田で作られる機械式時計。その間には長い時代の隔たりがありますが、「良いものを作り、長く使う」という思いには、どこか通じるものがあるように感じています。
漆の艶と、時計の輝き。
今回製作したウォッチスタンドでは、川連漆器の持つ深い艶と美しい色を、そのまま生かしました。
漆黒の上に置かれたオリエントスター。
朱の上で静かに光を受ける、磨き上げられたステンレスのケース。
実際に時計を置いてみると、漆の柔らかな艶と金属の硬質な輝きという、まったく異なる二つの素材が、お互いの美しさを引き立ててくれることに気づきました。
けれど私たちが目指したのは、川連漆器を単に「和」の装飾として時計に合わせることではありません。
長い時間をかけて秋田で受け継がれてきた手仕事を、現代の暮らしの中で、毎日触れるものとして楽しんでいただきたい。
朝、スタンドから時計を手に取る。
一日を終え、時計を腕から外して、またそこへ戻す。
そんな何気ない毎日の中に、川連漆器がある。
そのたびに漆の艶を目にし、そこにある秋田の手仕事を、ほんの少し身近に感じていただけたらと思っています。
ー同じ湯沢から生まれた、二つのものづくり。
八百年を受け継ぐ川連漆器。そして、現代の精密技術と人の技から生まれるオリエントスター。遠く離れた二つの産地のものを、私たちが偶然組み合わせたわけではありません。
どちらも、同じ秋田県湯沢市で育まれてきたものづくりです。
一方は、長い歴史の中で受け継がれてきた伝統工芸。もう一方は、秋田の地から世界へ送り出される現代の機械式時計。時代も、素材も、技術も違う二つのものづくりが、この小さなウォッチスタンドの上で出会いました。
そしてここからは、使ってくださる方の暮らしの中へ。
時計を置き、手に取り、また置く。
その何気ない時間を重ねながら、川連漆器とオリエントスターがともに、その人だけの時間を刻んでいく。
湯沢で受け継がれてきた漆の技と、湯沢で生まれる機械式時計。
このウォッチスタンドが、その二つをつなぐ小さな架け橋になればと思っています。
山桜の樹皮から生まれる、秋田の工芸
秋田県仙北市角館。
武家屋敷の町として知られるこの地で、樺細工は長い年月にわたり受け継がれてきました。「樺細工」という名前ですが、主に使われるのは山桜の樹皮。自然の山桜から採取された樹皮を乾燥させ、整え、その表情を見極めながら、一つひとつの製品へと仕上げていきます。木を切り倒して材料にするのではなく、山桜を生かしたまま樹皮を採取し、木はその後も新しい樹皮を再生していく。自然から素材をいただきながら、その先の時間も残していく。そこには、山とともに暮らしてきた秋田ならではの知恵があります。そして、自然素材だからこそ、桜皮の色や模様、艶は一つひとつ異なります。均一ではない。だからこそ、美しい。私たちは、その一つとして同じものがない表情も、樺細工の大きな魅力だと思っています。
自然の時間と、人の時間。
山桜の樹皮に刻まれているのは、自然の中で過ごしてきた時間です。
雪に耐え、春を迎え、夏の日差しを浴び、また秋から冬へ。
秋田の四季の中で育った山桜が身にまとった表情を、人の手によって暮らしの道具へと生まれ変わらせる。そこに樺細工ならではの美しさがあります。
一方、機械式時計の中で時を刻んでいるのは、人が作り上げた小さな機械です。歯車が動き、ぜんまいがほどけ、針が静かに時を刻んでいく。
自然が長い年月をかけて生み出した桜皮と、人の技術によって生み出された機械式時計。
まったく違う二つですが、その両方に「時間」が刻まれているように私たちは感じます。
自然が刻んだ時間と、人が刻む時間。
その二つを一つの場所で出会わせてみたい。
それが、樺細工をウォッチスタンドに取り入れた理由のひとつです。
桜皮の表情と、時計の輝き。
今回製作したウォッチスタンドでは、樺細工ならではの桜皮の表情をできるだけシンプルに生かしました。華美な装飾を加えるのではなく、自然が作り出した色や模様そのものを、時計を置くための小さな舞台にする。そこへオリエントスターを置いてみる。
柔らかな桜皮の茶。その上で光を受ける、磨き上げられたステンレスのケース。自然素材が持つ不規則な表情と、精密に仕上げられた機械式時計の端正な美しさ。異なるものだからこそ、お互いの魅力がより鮮明に見えてきます。そして何より、一つひとつ表情の違う桜皮の上に、自分が選んだ一本の時計を置く。それは、まったく同じ組み合わせがほかにはないということでもあります。朝、時計を手に取るとき。一日の終わりに、時計をそっと戻すとき。そのたびに桜皮の自然な表情を目にする。
そんな毎日の小さな瞬間に、秋田の山や自然、その素材と向き合ってきた人の手仕事まで、ほんの少し感じていただけたらと思っています。
自然から受け取り、次の暮らしへ。
樺細工の美しさは、完成した製品だけにあるのではないのかもしれません。
山に育つ桜があり、その樹皮を採る人がいる。
素材を見極め、整え、磨き、形にする人がいる。
そして、それを日々の暮らしの中で使う人がいる。
自然から人へ。
作り手から使い手へ。
そうして樺細工は、時代を越えて受け継がれてきました。
オリエントスターもまた、秋田の地で人の手と技術によって作られ、そこから使う人のもとへと渡り、新しい時間を刻み始めます。
秋田の山が育てた山桜の樹皮と、秋田で生まれた機械式時計。
その二つが、この小さなウォッチスタンドの上で出会いました。
自然が育てたものと、人が作り上げたもの。
そのどちらにも流れている、秋田の時間。
このウォッチスタンドを手にしてくださる方にも、その時間をゆっくりと感じていただけたらと思っています。